会長就任挨拶
特別区長会会長就任にあたって
このたび、引き続き特別区長会の会長を務めさせていただくことになりました。
我が国は、昨年来の新型コロナウイルスの感染拡大により、全国的に深刻な状況が続いています。特に、特別区は感染者数が多く、大きな影響を受けております。区民の安全・安心の確保のため、ワクチンの一日も早い接種を目指すとともに、医療体制の整備、保健所をはじめとする検査体制の強化、経済活性化のための中小企業等に対する支援策の継続・拡充など、感染拡大防止と収束に向け、国、都と連携し、23区が一体となって取り組んでいく必要があります。
開催を目前に控えた東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会については、感染症対策を講じながら、大会の成功に向けて、万全の体制を整えなくてはなりません。
切迫性が指摘される首都直下地震及び南海トラフ地震、近年多発している風水害等への対策は、喫緊の課題です。特に、帰宅困難者対策、大規模水害時における広域避難に係る体制整備は、自治体の枠を超えて広域的な対策を行う必要に迫られています。
昨年度から設置が始まった特別区の児童相談所は、今年度4区(世田谷区、江戸川区、荒川区、港区)となり、今後も順次開設が続くことになりますが、子どもの安全と健やかな成長を実現するために、東京都と連携しながら児童相談体制の拡充を図っていく必要があります。
特別区と全国の自治体の連携により、共存共栄の道を探るべく進めてきた「特別区全国連携プロジェクト」は、着実に成長し、全国の千を超える自治体とのつながりに発展しました。発災から10年目を迎えた東日本大震災被災地等の復興に向けた支援を継続しつつ、コロナ禍における新たな交流スタイルも工夫しながら、さらに連携の輪を広げていかなければなりません。
これからの行政のあり方を探るべく設置した特別区長会調査研究機構の研究活動も、各区の意欲的な提案や参加を得て、成果を上げつつあります。
少子・高齢化への対応をはじめ、行政各分野で増大する諸課題に加え、税財政制度や都区制度のさらなる改善に向けた課題も抱えています。
難題山積の中、重責に身の引き締まる思いではありますが、引き続き、副会長をお務めいただく武井雅昭港区長、成澤廣修文京区長とともに、23人の区長が力を合わせて諸課題を解決していけるよう、全力を傾けていく所存です。
皆様のご支援、ご鞭撻を心よりお願い申し上げます。
令和3年5月14日
特別区長会会長
江東区長 山ア 孝明
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