会長就任挨拶
特別区長会会長就任にあたって
引き続き、特別区長会の会長を務めさせていただくこととなりました。前期の振り返りと今期の目標について申し上げます。
これまでの2年間は、少子化による急激な人口減少や高齢化、激甚化する自然災害への備え、気候変動など環境問題への取り組み、全国連携プロジェクト等、さまざまな課題に23区で一致結束して対応してまいりました。そのため、国及び都と連携するとともに、必要な政策課題については、要望活動を重ねてまいりました。
都と議論が続いていた児童相談行政については、子どもの安全と健やかな成長、子どもを産み育てやすいまちづくりを実現するために、共同での人材育成や人事交流を図るなど、特別区と都が連携しながら、児童相談体制や子育て支援体制の拡充を図ることで合意しました。
災害対応では、これまで、東日本大震災をはじめ令和6年能登半島地震などの大災害発生時には、スピーディに復興支援金の提供や、職員の現地派遣など、復興支援に取り組んでまいりました。
気候変動対策では、令和5年10月に「2050年『ゼロカーボンシティ特別区』の実現に向けた特別区長会共同宣言」を行い、多様な主体と連携し、持続可能な特別区の構築に向け、一体となって脱炭素社会の実現に取り組んでおります。
これらの諸課題を未来志向で解決していく財源として、都区財政調整制度の都区間配分割合の変更について合意に至ることができました。今後は東京の未来を共に創り上げていくために、都と区の連携・協力を一層進めていく必要があります。
今期の課題としては、莫大な区民税の流出を招いているふるさと納税の抜本的な改善に向けた対応が喫緊の課題となっています。論点を整理して、国への制度改正を働きかける必要性があると考えています。
また、首都直下地震や南海トラフ地震への備えも重要な課題と認識しています。特に帰宅困難者や大規模水害などには、区の枠を超えた対策が求められます。都や特別区相互の連携を深め、災害への対応力強化に取り組んでまいります。
2025年度には、世界陸上と創始100年を迎えるデフリンピック大会が東京で開催されます。区民がスポーツに触れる機運醸成や選ばれる都市としての魅力向上に取り組むため一致協力していくことが大事だと考えております。
難題山積の中、重責に身の引き締まる思いではありますが、23区の取組がより効果的に、より機動的に機能することをめざし、23人の区長の力を結集して諸課題を解決していけるよう、引き続き全力を傾けていく所存です。
皆様のご支援、ご鞭撻を心よりお願い申し上げます。
令和7年5月16日
特別区長会会長
新宿区長 吉住 健一
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